読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

makistove315

まきすとーぶさいこー

7つの習慣

とある女性が亡き父との思い出を語った。

 

 

 

小学生の頃、コンサルタントをしていた父が出張講演に行くことになった。

 

講演後は時間があるため、娘と過ごすことにした。

 

日頃は仕事で忙しく、娘と二人で出掛けることなど無かったため、娘はこの提案を聞いた時ものすごく喜んだ。

 

数ヶ月後のその日に向けて、どこのレストランで食事をするか、どこをドライブするか。

夜はホテルに着いたら、お菓子を食べながら映画を観て夜更かしをする、等々。

 

毎日、計画を練る時間が楽しくてしかたがなかった。

 

 

そして、ついに出張当日。

 

父の仕事が終わり、娘は父と合流した。

 

数ヶ月間、待ちに待った瞬間が訪れたのである。

 

娘はワクワクして、楽しくてしかたがない。

これから父と相談して決めたレストランでのディナー、ドライブを楽しむ。父との夢のような時間を過ごすのである。

 

 

しかし、その時。

 

 

向こうから一人の男性が父の元に近づいてきた。

 

その男性は、父に対し、

 

「素晴らしい講演だったよ。今度ぜひ仕事を頼みたいんだ。」

「今からディナーでもどうだい?娘さんもぜひ一緒に!」

 

と話しかけてきた。

 

 

父は、「ありがとう。ぜひ仕事をやらせて下さい。」

 

と答えた。

 

 

 

それを聞いて娘は涙がでそうになった。

 

数ヶ月間待ちに待った、父との二人きりのデートを・・・

父と二人で練りに練ったデートプランが・・・

 

崩れ去ろうとしていた。

 

 

しかし、悲しんでいられない。父にとってはビッグチャンスである。仕事で飛躍するチャンスを邪魔してはならない。

 

そう思った娘は気丈にも、笑顔を保ち、デートを諦めた。心は張り裂けそうになったが、表情には出さないよう歯を食いしばった。

 

父との二人きりのディナーを諦め、この見知らぬ男性との食事会を受け入れた。

 

 

 

しかし、その時。

 

父は予想外の事を言い出した。

 

 

 

「非常にありがたい話ではあるが・・・」

 

「実はこの後、娘とデートの約束があるんだ。」

 

「仕事の話はまた今度にしてくれ。」

 

 

父は男性にそう告げて、娘の手を引っ張り、デートへと向かった。

 

その後は予定通り、ディナー、ドライブを楽しみ、ホテルでお菓子を食べながら映画を見て夜更かしを楽しんだ。

 

この出来事は、娘にとって衝撃的であった。父は本当に自分の事を大切に思ってくれている。愛されているんだと。

 

一生の思い出となった。

 

 

 

父にとって仕事の依頼は、ビッグチャンスであった。

 

しかし、何のために仕事で成功したいのかというと、家族のためである。

 

家族と穏やかな時間を過ごし、深い絆で結ばれる。

 

それが、最終目標である。

 

最終目標が明確であったため、目の前にビッグチャンスがぶらさがっていても、食いつかなかった。

 

娘との時間の方がはるかに価値があるのだ。

 

 

・・・

 

 

実は、このエピソードの父親というのは、「7つの習慣」の著者であるスティーブン・コヴィーである。

 

7つの習慣は良書であり、間違いなく必読書ではあるが、分厚くて読む気になれない人が大勢いる。

 

あまりにももったいない。

 

この父と娘のエピソードがすべてを集約している。

 

読むのが面倒な人はこれだけでも十分である。 

 

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

完訳 7つの習慣 人格主義の回復